[堺市]中学調査書記載ミスで防止策 出願前に開示を検討

投稿者 記者・ 山本裕

この記事は公開日から1年以上経過してるため情報が古い可能性があります。

堺市教委が報告書公表

堺市立中学校で、府立高校入試のために作成される調査書(内申書)の記載ミスが相次いだ問題で、同市教育委員会は9月26日、原因や再発防止策をまとめた検証報告書を公表した。記載ミスの背景として、学校や市教委の認識の低さがあったなどと指摘し、再発防止策として調査書作成の役割分担を明確にして学校全体で作成、チェックを行うことや、出願前に調査書を生徒や保護者らに開示することなどが必要だとしている。

報告書は、問題の発覚を受けて設置された外部有識者からなる市調査書誤記載検証委員会の議論を踏まえて市教委が見解をまとめた。

報告書では、ミスの背景として、調査書作成事務の重要性の認識が低いことがあると指摘。学校側には、作成事務に積極的に関与しない風土があり、教員に作業手順の理解不足や点検の不徹底があったとした。市教委にも、誤記載が重大な事案を招くという思いに至らず、誤記載を防止するための取り組みが不足していたとしている。

こうした問題点を踏まえて報告書は、校長や教頭、教員の役割を明確にしたうえで「事務作業は間違えるものだ」という認識を前提にしたチェック態勢の構築や、マニュアルを遵守しないことは服務規律違反であるとの意識の徹底が必要だとした。また、入試出願前に生徒や保護者に調査書を見せることは効果的で、情報公開として当然だとしている。

市教委は報告書に基づいて11月中にも具体的な対策を盛り込んだ調査書作成マニュアルを作り、各学校に周知する。

この問題は、今春の入試で調査書の誤記が原因で2人の受験生が不合格になっていたことがわかり発覚。さらに16 年度以降、6年連続で調査書の誤記載が起きていたのにも関わらず、市教委は合否には影響がなかったとして公表してこなかったことも分かった。誤記載は6年間で、27校291人分だった。

記事中に掲載されている情報は掲載日(2022年10月14日)時点のものです。

泉北・金剛さやまコミュニティでは、新しいお店の情報や季節の移り変わりなど、いろいろな情報を募集しています。
投稿・情報提供いただき、採用された方から抽選でプレゼントを進呈しています。お気軽に投稿してください。

広告
最新情報をチェックしよう!