外来虫による桜の枯れ死 泉北にも広がる

投稿者 記者・ 山本こ

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狭山から拡大

外来昆虫「クビアカツヤカミキリ(以下クビアカ)」による被害が深刻だ。クビアカは桜・モモ・ウメなどに生息。幼虫が樹木の内部を食い荒らし、枯れ死に至らす。全国規模で被害が広がり、18年環境省により特定外来生物に指定された。「このままでは20年後に日本中の桜が全滅する」と警鐘を鳴らす専門家も。府内では大阪狭山市で最初の被害が確認され、その後爆発的に被害が拡大している。

元大阪府立大学教授の藤下典之さん(90歳・西山台)は、17年に大阪狭山市東野地区でクビアカによる被害を目撃。「このままでは狭山の桜が危なくなる」と危機感を持ち、クビアカの生態研究を始めた。

藤下さんが「最も被害が深刻」と話すのは東野地区。中でも東野第1公園では、13本ある桜の大木全てが被害を受け、うち3本がこの夏に伐採。2本が立ち枯れ状態。他の木も幼虫が食害した時に出る「フラス」と呼ばれる、幼虫のフンと木くずが混じったものが根元などに散乱しており、健康な桜が1本もない状態だ。同地区では他の公園、施設などにも同様の被害が広がっている。

その他、狭山駅周辺、狭山池周辺、今熊地区、大野台第1〜4公園から大野地区と市の北端から南端まで被害が広がっている。周辺の自治体でも、富田林市役所や藤沢台公園、陶器山、堺市の晴美台・槇塚台でも被害を確認。

対策が後手後手に

大阪狭山市では薬剤注入や伐採などの対策を行っているが、伐採だけでは地面から盛り上がった根への被害が止められず、「行政の管轄が縦割りで、対策が後手後手になり被害の拡大が抑えられていない」と藤下さんは懸念する。「市民に対する広報活動の徹底と、官民一体となっての対策が急務」と。

記事中に掲載されている情報は掲載日(2019年10月7日)時点のものです。

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