児童自立支援施設整備めぐり新たな地方財政法違反指摘

投稿者 記者・ 山本裕

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堺市が南区泉田中で予定していた市立児童自立支援施設の建設の中止を決めた問題で、市の全額負担で府立施設の敷地内に2棟の寮を建設することについて、新たな地方財政法違反の疑いが市議会で指摘された。市議会では、負担金の支出にあたって府との十分な協議を求める付帯決議も全会一致で可決され、市は今後、支出の正当性を厳しく問われそうだ。

市は、市立施設の建設を中止し、府への事務委託を継続する代わりとして、府立修徳学院(柏原市)の敷地内に堺市の負担で新たな寮2棟を建設することで府と合意。来年度予算に、整地費用として約2400万円を計上した。22年度以降も設計や建設費用を負担し、負担額は総額3億円を見込んでいる。

これについて、市議会予算審査特別委員会で、渕上猛志市議(堺創志会)は「地方財政法の条文では一部の負担しか認めていない」などと指摘して「費用の全額負担は同法の趣旨に違反するのではないか」と市を質した。

市は「国に確認したところ、法律に違反するとまでは言えないとの見解を得た」などとして説明。永藤英機市長も「堺市が建設費を負担すべきだと考えている」と述べるのがやっとだった。

この問題をめぐっては、長谷川俊英市議(無所属)が既に「費用負担は、地方財政法が求めている条件を満たしていないのではないか」と指摘。市は「府が堺市から20人の児童を受け入れるためだけに施設を建設する」などとして、施設費用の全額負担には問題はないと説明している。

市議会では「府が堺市に負担ばかりを押しつける不平等条約」「維新を中心とする政治的思惑や対立の中で施設整備計画が翻弄された」といった批判があり、今後も費用負担のあり方について議論が行われそうだ。

市立児童自立支援施設は、維新府政から再三の強い要請を受けて建設が計画され、18年3月に施設用地として元宅地造成地約6万4720平方メートルを約6億7千万円で購入した。

ところが、19年の市長選で日本維新の会の馬場伸幸衆院議員が「ひねくれた子供を更生させる施設」と呼んで建設計画を批判すると、選挙で当選した永藤英機市長が施設整備の中断を発表。これまで、大阪府と事務委託の継続で協議を行うことを表明した。

記事中に掲載されている情報は掲載日(2021年3月19日)時点のものです。

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