知り合いの80代の女性は、唱歌「早春賦」が大好きで学生時代を思い出すという。また80代の母は、倍賞千恵子さんの「さくら貝の歌」を聴くと涙が出るという。歌に紐づけられた古い記憶が瞬時に呼び覚まされ、タイムスリップして当時の気持ちを思い出し、心に潤いと感動を与える。
認知症の方が、思い出の歌を聴いたり歌ったりすることが脳に良いのは広く知られているが、父も大好きな歌だけは歌詞までしっかり覚えている。何よりその時間だけでも幸せな気持ちになれることは心が潤い、良い影響しかない。
私にもそんな歌はたくさんある。今は聴きたい時にすぐ聴けるありがたい時代だ。
(記者・松林)
先日、空手教室「啓道館」を取材した。稽古は正座とあいさつから始まり、礼儀や思いやり、仲間との協調を大切にする。武道の技術に加え、「悪口や不平不満を言わない」「弱音を吐かない」などの心構えや、「今日はいい日だ」「やったらできた」と前向きな言葉を口にする大切さも伝える。
生徒は幼児からシニア世代までの男女が通う。教室入口で小学生男子が自然に靴をそろえる姿が印象的だった。空手に向き合う時間は、自分自身と向き合う時間でもあるのだと感じた。子どもたちの真っすぐな眼差しに、背筋が伸びる思いがした。教室には子ども達の笑顔とともに、さわやかな空気があふれていた。
(記者・元村)

