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南海高野線と地下鉄御堂筋線が乗り入れている中百舌鳥駅の乗り継ぎ改善について、堺市が南海電鉄や大阪メトロに働きかけを強めている。市は中百舌鳥駅周辺の活性化を掲げ、「地域活性化につながる乗り継ぎ改善」の実現を訴えている。
現在、南海中百舌鳥駅は降車後、階段をのぼって改札に出て、再び階段を下りて地上に出なくてはならない。そこから、地下鉄の駅までは、駅前広場を通り階段を下りていく必要がある。こうしたことから「乗り継ぎ距離が長いうえ、階段を上ったり下りたりしなければならず大変だ」との声が、以前から上がっている。
府議会や大阪、堺両市議会でも乗り換え改善がしばしば議論され、14年度からは府と南海、地下鉄が関係者会議を設けて具体的な乗り継ぎ改善方法について協議を行っている。これまで、両駅のホームを階段と地下通路で結ぶ案などが検討されてきたが、工事中の安全確保などに課題があり、具体的には進んでいない。
これに対し、堺市では、竹山修身前市長が駅舎を改造してまでの乗り継ぎ改善に消極的だったが、永藤英機市長が19年6月に初当選すると、方針を一変。20年3月からは関係者会議に加わり、中百舌鳥周辺の活性化につながる乗り継ぎ改善の実現を求めている。
また、堺市は昨年度、中百舌鳥駅周辺の地下にあるガス管や水道管など埋設物の調査を実施。この結果も踏まえ、駅前の活性化と乗り継ぎ改善をセットにして府や南海、大阪メトロに協議を働きかけていく。今年秋までには協議を開始するという。
永藤市長は2月の市議会で「中百舌鳥駅の乗り継ぎ改善は重要な課題だと認識している。乗り継ぎの改善だけでなく、中百舌鳥地域を大きく発展させたい」と述べた。
南海電鉄では、ホームの改良とは別に、改札機の移動や商業施設の整備などの大規模な改装を計画している。